君と始める最後の恋

 定食屋に着くなり向かい合って座る。

 類くんと2人注文を済ませると、類くんは社内スマホをチェックしていた。


「類くん、大丈夫ですか?お仕事。」

「うん、今日は打ち合わせ午後からだから。」

「そっか。珍しいですね、私とお昼とか誘ってきたこと無いのに。」

「…君が寂しそうな顔するからでしょ。」

「え?」

「昨日の夜、寂しそうな顔してたから。」


 そう言ってスマホを置くと、私の方を見る。

 気付かれていたとは思わなくて少し驚いた。

 出来る限り明るく接していたはずなのに、きちんと見ていてくれた事が嬉しくてにやけてしまいそうになる。


「…寂しいは、寂しいです。でも、今が類くんにとって大事なお仕事で、大事な時だと分かっているので。」


 そう言うと、類くんは少し不満そうな顔をしていた。

 何でそんな微妙な顔をしているのか。

 私、今何か変な事言ったっけ。


「あのさ、君があまりにも分かってないからはっきり言っておくけど。」

「は、はい?」

「君より大事な物なんて無いから。」

「え…?」


 思わぬデレ宣言に思わず固まってしまう私。

 普段聞けないような言葉をこんな所で聞けるとは思わずときめきが超過して固まってしまった。


「君が寂しいって言うなら、仕事も都合付けて時間作れるようにするし。どうしても無理な時はごめん。だけど、君以上に優先しなきゃいけないものなんて今の俺には無いって分かってて。」


 類くんらしい言葉だけど、珍しくまっすぐな言葉にときめきが止まらなくなる。

 本当、この人のこういうところ、好きで仕方ない。