君と始める最後の恋

 次の日、職場でお昼休みに入るところだった。

 結絃は外回りに出ていて社内には居ない。

私がオフィスワーク関連を片付けている間に結絃は積極的に外に出て営業を掛けている。

 そろそろ私もお昼休みに入ろうかと席を立ち上がって志織ちゃんの方を見ると、珍しく志織ちゃんが居なかった。いつも私とここで目を合わせてお昼に行くのに、珍しい。

 先行っちゃったのかな。と思いつつ、お昼食べる気分でもないからカフェスペースにでも行ってゆっくりしようか悩んでいたら、急に肩を叩かれて少し驚いた。そこに居たのは類くんで、さらに驚く。


「どう、したんですか。一ノ瀬先輩。」

「お昼行かない?」

「え、」


 誘われることも珍しくて驚いていると、後輩2人がこちらを陰から見ていて何だか可笑しい。

 もしかしたら気を遣って、類くんに誘うように言ってくれたのかもしれない。


「先輩、私の事は気にしてもらわなくて大丈夫ですよ。志織ちゃんや小川くんから何か言われたんですか?珍しい。」


 そう言って笑うと類くんが顔を顰めている。


「今日は俺が譲ってって言ったんだけど。」

「え?」

「外回り午後からだから、昼一緒にどうって誘いに来た。たまにはいいでしょ。」


 類くんからと思えば凄く嬉しくなって、素直に頷く。類くんがお昼誘ってくる事なんて今までなかったし、席が空いてないからとかは時々あったけど、後輩達が気を遣ってくれたものだと思っていた。


「嬉しいです。お昼、行きたいです!」

「…そう。」


 志織ちゃんと小川くんの方を見るとグッと親指を立てていて、可愛らしい。私もうんと頷くと、一緒に外に出て近くの定食屋さんに向かった。