君と始める最後の恋

「…呼べないの、俺のことは類って。」

「む、無理。心臓痛くなりそう…。潰れちゃいそうなぐらいドキドキしてるんですけど…。」

「俺だから?」


 そう言いながら個室のテーブルを挟んで、私の髪に軽く触れてくる。

 当たり前に決まっている。こんなに名前呼ぶだけでも髪に触れられるだけでもドキドキできる人なんて類くんしかいない。


「…そうに決まってるじゃないですか。」

「へぇ?もう付き合って1年も経つのにね。」


 そう言って少し揶揄う様に笑う類くん。

 何か今日いつも以上に意地悪じゃないですか、類くん?

 顔の火照りが止まらない。


「嘘、別に気にしてないって言ったらそんな事もないけど。ただの元彼意識して名前呼びされるのも癪だし。」


 そう言いながら髪から手を離してビールジョッキに手を付ける。

 何事も無かった事の様に、話が進んでいるけど私の心臓はバクバクと音を立てている。本当に心臓に悪い。