君と始める最後の恋

 お風呂を頂くと先輩の服はぶかぶかで袖も出ない。ほんの少し捲ってもスルッと落ちてきてしまう。借りたトレーナーは良い匂いがして、何だか先輩に抱きしめられている様な感覚になる。


「(この匂い、好きかも。)」


 スンスンと匂いを嗅いでからリビングに戻ると、先輩がソファーからこちらに顔を上げてこちらを見る。目が合うと先程までの行動も、今のこの空気感も何恥ずかしくなって、顔が熱くなっていく。

 先輩がそっと立ち上がってこちらに近寄ってくると、すこしぶかぶかになっている袖を丁寧に捲ってくれる。


「……いな。」

「え?」


 かなり小さな声で何か言っていたので、上手く聞き取れなくて聞き返すと先輩が少し顔赤くしてこちらを見ている。


「1回で聞きとりなよ。」

「そんな小さな声で無茶言わないでください!」

「聞き取れなかった君が悪い、ベッド使っていいから。」


 そう言ってソファーの方に戻っていく。

 さすがにそうだよね、少し安心した様な残念な様な気持ちでありがたく寝室のベッドを使わせてもらうことにした。


「おやすみなさい。」

「おやすみ。」


その返事を聞いて寝室に入っていく。









𓂃𓈒𓂂𓏸






 彼女が寝室に入ったのを見て深く溜息を吐く

 分かっていたけど言葉は届いてなかった。今その言葉を伝えるべきじゃないと判断して後日きちんと伝える事にして今日は諦めた。


『可愛いな。』


 素直にそのくらい伝えれたら良かったのに、伝える事も出来ずに終わった。





 かなり待たせたけど、もう少ししたらきちんと伝えるから待ってて。