君と始める最後の恋

 小川くんは私が好きっていうより懐いている感じだと思うけど…。

 小川くんが比較的に感情や気持ちが前に出ない人だからか、そんな風に思ってしまう。

 そもそもこんな私を好きになる物好きなんて居るのだろうか。とは思うけれど、先輩を振り向かせようとしている人間の考える事では無いのかもしれない、と、自分に思わず少し呆れる。


「うーん、やっぱり懐かれているだけじゃない?」

「それは先輩が小川くんを男の子として意識せず後輩として可愛がってるからですよ。郁先輩、実は人気あるのに何でこんなに無自覚なのか。可愛いですけど。」


 文句を言いながらこうやって褒めてくれる志織ちゃんがおかしい。私の為に全力で感情を出してくれていて、誰かに話を聞いてほしい時いつもこうやって傍に居てくれる。

 志織ちゃんが男の子だったらすごく好きになっていたかもしれない。


「私、志織ちゃんが男の子だったら告白してるよ~。」

「私も男だったら郁先輩をとっくに口説き落としてます。この意気地なし男共が~!」


 遠慮の無く何でも伝えてくれる素直な志織ちゃんに、私は救われているし大好きだ。

 少し話して給湯室の時計を見るといつもの時間だった。
 そろそろ先輩が来る。

 この時間は私にとっても大事な時間なのでいまだに毎日欠かさない。