君と始める最後の恋

 しっかり泣いてしっかり送ってもらった翌日。
 さっそく志織ちゃんに壁ドンという形で朝から給湯室で捕まっている。

 後輩にこんなに威圧感たっぷりで壁ドンなんてされたことが無い。怖すぎる、と両手を前で組んで志織ちゃんを見る。


「意味わかんない、何でそれで付き合わないんですか?嫉妬って認めたんですよね。」

「お、落ち着いて志織ちゃん。」


 志織ちゃんの目がバキバキで恐ろしい。
 今にでも先輩を殴りに行くんじゃないかという程の殺気を放っている。


「え、両想い以外にある?嫉妬して好きかわからないって、じゃあ誰に他に嫉妬するんですか?」

「うーん、ただの独占欲…?」

「だとしたらクズです、私の郁ちゃん先輩は渡しません。」

「郁ちゃん先輩?」


 私のために本気で怒ってくれている志織ちゃんが愛おしい。

 この片思い期間は確かに苦しいけれど、今は少し楽しかったりするから良かったりする。もう少しで好きになってくれるかも?って思う瞬間はすごく焦れったいけどこのドキドキは今でしか味わえないし。今は先輩から仲直りに来てくれたのが嬉しい。


「こうなったらもっと小川くんに暴れてもらって、一ノ瀬さんに自覚していただきたいですね。」

「そんな言い方しない、というか小川くんは私を何も思ってない。」

「はあ?鈍感すぎません郁先輩。私郁先輩大大大大好きですけど、流石に呆れちゃう。」


 本当に呆れた様な表情で言い放つ志織ちゃん。
 仲良くなって、どんどん私に遠慮が無くなっている気がする。