ゆいは竜也と共に進んだ。
道隆が言っていた通り、この道には何もかもが詰まっている。愛も、裏切りも、憎しみも。

だが今、ゆいが最も感じているのは、「安心感」だった。
竜也の手をしっかりと握っているその瞬間、どんな未来が待ち受けていようと、この手があれば大丈夫だと思える。

「竜也……私、怖くない。」
小さな声で呟くと、竜也は微かに笑った。
「お前が怖いわけないだろ。」
その言葉に、ゆいは微笑み返した。

二人はさらに歩みを進めた。

歩く先には、ついに待ち受けている「最後の試練」があることを、ゆいは確信していた。
でも、もう逃げない。逃げる理由もない。