ゆいは二人を見つめた。
竜也と飛鳥、彼らの顔を一人ずつ見つめ、心の中でその温もりを確かめる。

どちらを選んでも、失いたくない。
その気持ちが、ゆいの胸を締め付けていた。

だが、今はその感情だけでは決められない。
どちらを選んでも、誰かを傷つけることになる。
その痛みを受け入れる覚悟が、ゆいにとって最も試されていることだった。

「私は……」

その時、ゆいの口から自然と出てきた言葉が、部屋に響き渡った。

「私は、竜也を選びます。」
その一言が、すべてを決定づけた。

竜也の目が大きく見開かれ、飛鳥の顔が一瞬にして険しくなる。

ゆいの心は決まっていた。
この選択が、最も自分を強くしてくれると信じたから。