飛鳥は、竜也を見返すことなく、ゆいの方に視線を向けた。
彼の心の中では、これから何をすべきか、何が最良の選択なのかが次々に駆け巡っていた。

ゆいを守るためには何でもする
その思いは、もう何年も前から変わらなかった。
竜也が彼女にとって必要だと感じているなら、飛鳥はそれを超えてみせるしかない。

「お前を選ぶことができないなら、俺は何のために生きているんだ?」
飛鳥は小さく呟いた。

その言葉は、竜也に向けたものではなかった。
自分に向けた問いだった。

ゆいの気持ちを考えると、心が痛む。しかし、飛鳥はそれでも、自分が最後に何をすべきかを知っている。

「俺が選ばれる理由を、必ず示してみせる。」
その言葉は、彼自身に向けた誓いだった。