その頃、竜也は自宅でゆいのことを考えていた。
昨晩のあの言葉――
ゆいが自分を選んだという言葉の意味が、胸に深く刺さる。

「俺、絶対にお前を守る。」
竜也は再度その言葉を繰り返した。
ゆいのために、自分ができることは全てやると、心に誓っていた。

だが、すぐにその気持ちを封じ込めるように、竜也は冷静さを取り戻す。
今は感情に流されてはいけない。
自分の道を突き進むことが、今必要なことだ。

「でも、ゆいが苦しむ理由だけは絶対に許せない。」
竜也は拳を強く握りしめた。
その手のひらには、まだゆいの温もりが残っているような気がしていた。