道隆からのメッセージを受け取ったゆいは、携帯を握りしめながら、身震いを感じた。
何が待っているのか、わからない。
それでも、今ここで止まるわけにはいかない。

「道隆さんが言っていたこと。これからが本当の戦いだ。」
ゆいは口に出して、自分を励ますように言った。
その言葉を胸に、彼女は決意を固めた。

学校を抜け出し、道隆が指示した場所に向かう。
ゆいは、竜也と飛鳥を選んだことで、もう後ろを振り返らない覚悟ができていた。
だが、その先に何が待ち受けているのか――

ゆいが道隆の指定した場所に到着した時、彼がすでにそこに待っていた。

「遅かったな。」
道隆はゆいを一瞥して、少しだけ笑みを浮かべた。

「道隆さん、何か……?」
ゆいは少し警戒しながらも、道隆に歩み寄った。

「今日は、あんたの覚悟を試す日だ。」
道隆の言葉は、冷静でありながらもどこか重く響いた。
「竜也と飛鳥、どちらが本当にお前を守りたいと思っているか、その答えを出させる。」

ゆいはその言葉の意味を理解した瞬間、心臓が跳ね上がるような感覚を覚えた。
「守りたい?」
「そうだ。」
道隆の声は変わらず静かだが、その中に込められた確信がゆいの胸に強く突き刺さる。

道隆は続けた。
「お前が本当に望む道を選ぶためには、まず、真実を見極める必要がある。だから、あんたが今からやるべきことは、自分を試すことだ。」

ゆいは何も言えなかった。
道隆が言う「試す」とはどういう意味なのか、それがどういう結果を招くのか、全く予想がつかない。
だが、もう逃げられないことは理解していた。
これが最後の決断になる。