道隆はその夜、ゆいを一歩引いた場所から観察しながら考えていた。
ゆいが本当に選ばない道を選んだ場合、全てが崩れるのは目に見えている。

だが、道隆はその選択がどう転ぶにせよ、最終的に自分の手の中に全てを収めることになるという確信があった。
彼はゆいの決断に任せるフリをしながら、その後ろで事を動かすつもりでいた。

「俺が守るべきは、ゆいだ」
その思いが心の中で強くなっていく。

道隆の胸には、選ばれた者だけが背負うものがあることを理解していた。

そして、何よりも、これからの戦いが本当の意味で始まることを感じていた。