その日、飛鳥はいつものように冷静を装っていた。
だが、心の中では、ゆいの決断を待ち続ける不安と期待が渦巻いていた。

「俺は……」
飛鳥は自分に言い聞かせるように呟く。
彼は負けるわけにはいかない。
もし、ゆいが竜也を選んだなら、それは自分にとって最も耐えがたい現実となるだろう。
でも、もし選ばれたなら、彼は全てを守り抜く覚悟を持っている。

「もう、無駄な時間を過ごしたくない」
飛鳥の中で何かが切り替わった。
今こそ、自分が全てを手に入れる時だ。

飛鳥はその日の午後、再びゆいに会いに行こうとしていた。
今日こそ、決着をつける。
彼の目には、その決意がみなぎっていた。