その晩、ゆいはついにその場所に向かって歩き出した。
彼女が選んだ場所は、いつも彼女が一番落ち着いていられる場所、三人が小さな頃よく遊んだ裏庭だった。

そこには、竜也も飛鳥も既に待っていた。
二人はすでに、ゆいが来るのを待ち構えている。

ゆいが到着すると、二人がそれぞれ自分を見つめる。
その瞬間、ゆいの心は決まった。

「私は……」
ゆいは静かに、しかししっかりとその言葉を口にした。

竜也と飛鳥は、彼女の言葉を待っている。

「私は、どちらも選べません」

その言葉に、竜也と飛鳥は一瞬、目を見開いた。

「どうして?」
竜也の声が少し震えていた。

飛鳥も同じように、ゆいをじっと見つめる。

「私は……もう、誰も傷つけたくない。だから、どちらも選べないの」

ゆいはそう言って、二人の間に立っていた。
その瞬間、彼女は自分の選択がどれだけ痛みを伴うものかを痛感した。

竜也と飛鳥、それぞれに対する気持ちが交錯し、ゆいはその中で最も大切なものを守る方法を模索していた。

そして、ゆいはそのまま二人に向かって一歩踏み出す。