一方、飛鳥もまた、何度もその日を待っていた。
ゆいが決断を下すその瞬間を、彼は心の中でじっと待っている。
**「ゆいを選ぶ」**という結論に至るために、自分は何をすべきか、何をしなければならないか。

だが、飛鳥もまた、竜也と同じように、覚悟を決めつつあった。
自分がゆいを選ばないなら、竜也がその座に収まってしまう。
その恐れが、飛鳥の胸に深く刻み込まれていた。

「俺も、負けたくない」
飛鳥は、もう一度鏡の中の自分に語りかけるように言った。

その時、彼のスマートフォンにも、同じように道隆からのメッセージが届く。

「今夜、決着をつけよう」
そのメッセージを見た飛鳥は、再び何かが胸の中で決まり、覚悟が固まるのを感じた。