飛鳥は自室で何度もその言葉を反芻していた。
「負けたくない」。

自分が何を求めているのか、何を手に入れたいのかが、だんだんと明確になってきていた。
ゆいを手に入れることが、すべての始まりだった。

そのためには、どんな手段を使ってでも、竜也を超えなければならない。

だが、彼の中には迷いがあった。
竜也のように、無慈悲に進んでいく覚悟が、自分に足りないのではないか?

「俺は……どうするべきだ?」

その疑問が、飛鳥の中で渦巻いていた。
だが、彼はそれを乗り越える必要があると感じていた。