ゆいは、二人がどこかで言い争っていることに気づいていた。
竜也と飛鳥、どうしてこんなにも同じ場所で、同じ時間を過ごすたびに心が揺れるのか。

二人とも、彼女にとっては大切な存在だった。
でも、それと同時に、彼女はそれがただの友達以上だとは、まだはっきりと理解していなかった。

ゆいは、目の前の竜也の表情を見つめる。その冷静さ、鋭い視線。
そして飛鳥の、どこか遠くを見るような、切なげな眼差し。

「どうしたの、竜也、飛鳥?」

「何でもない」と竜也は答えるが、その声にはどこか硬さがある。

「……本当に?」
ゆいは少しだけ、二人の間に広がる無言の空気に疑問を抱く。
その空気が、どこか心地よくない。
何か、二人の間に隠されたものがあると感じる。

その時、ゆいの中で、初めて確信するような感覚が芽生えた。
自分は、二人にとってただの友達ではないということ。