玲司は、この話題になると、自分の口下手さがやるせなくなる。
いくら幼なじみであれ、よその家庭のことには口を出せない。
ましてや、両親とも同性愛者だったとなれば、本人たちにもかなりの葛藤はあっただろうし、マイノリティを悪し様に言うことは倫理に背く。
だからといって、他人に子供を産ませてまで家庭を築いたのに、一人娘が18になると同時に自分たちの道を選び、一度も顔すら見せないのも、果たして親としてどうなのか。
(薄情だよな⋯⋯だけど、大好きな人の両親を悪く言えない⋯⋯)
「ごめんね。もう忘れて」
「日美子⋯⋯」
「いつもありがとう。明日も早いでしょ?もう帰った方がいいわ」
後ろ髪を引かれる思いで、玲司は屋敷をあとにした。
そっと小屋を覗くと、鶏はもうぐっすり眠っている。
「あ、玲司。ちょっと話があるの」
自宅に戻るや否や、母が呼び止める。
「何?」
「いいから、ちょっと」
いくら幼なじみであれ、よその家庭のことには口を出せない。
ましてや、両親とも同性愛者だったとなれば、本人たちにもかなりの葛藤はあっただろうし、マイノリティを悪し様に言うことは倫理に背く。
だからといって、他人に子供を産ませてまで家庭を築いたのに、一人娘が18になると同時に自分たちの道を選び、一度も顔すら見せないのも、果たして親としてどうなのか。
(薄情だよな⋯⋯だけど、大好きな人の両親を悪く言えない⋯⋯)
「ごめんね。もう忘れて」
「日美子⋯⋯」
「いつもありがとう。明日も早いでしょ?もう帰った方がいいわ」
後ろ髪を引かれる思いで、玲司は屋敷をあとにした。
そっと小屋を覗くと、鶏はもうぐっすり眠っている。
「あ、玲司。ちょっと話があるの」
自宅に戻るや否や、母が呼び止める。
「何?」
「いいから、ちょっと」



