「玲司、どうしたの?」
「え!?いや、なんでもないよ」
(己よ、しっかりするんだ!手先の器用さだけが取り柄なのに、こんなに緊張してたら、とてもプロになれやしない)
深呼吸をし、そっと日美子の髪に鋏を入れる。
最初は、緊張のあまりどうなることかと思ったが、鋏を動かしているうちに落ち着いてきた。
「ねえ、玲司」
「ん?」
「珍しく無口なのね」
「え?ああ、ごめん。集中してたから。何か話したほうがよかったかな」
「ううん。集中してたのに邪魔してごめんなさい」
「謝ることないよ」
玲司は、鋏を入れながら、
(うーん⋯⋯親が切るときには、いつも長めだけど、もう少し短いほうが可愛くなるはず)
「日美子、いつもより少し短くしてもいい?いつもの長さだと知性は際立つけど、ちょっと隙がなさすぎる気がして」
「隙って必要かしら?」
「た、確かに⋯⋯可愛くなると思ったけど、やっぱりいつもの長さにしておくよ」
「え!?いや、なんでもないよ」
(己よ、しっかりするんだ!手先の器用さだけが取り柄なのに、こんなに緊張してたら、とてもプロになれやしない)
深呼吸をし、そっと日美子の髪に鋏を入れる。
最初は、緊張のあまりどうなることかと思ったが、鋏を動かしているうちに落ち着いてきた。
「ねえ、玲司」
「ん?」
「珍しく無口なのね」
「え?ああ、ごめん。集中してたから。何か話したほうがよかったかな」
「ううん。集中してたのに邪魔してごめんなさい」
「謝ることないよ」
玲司は、鋏を入れながら、
(うーん⋯⋯親が切るときには、いつも長めだけど、もう少し短いほうが可愛くなるはず)
「日美子、いつもより少し短くしてもいい?いつもの長さだと知性は際立つけど、ちょっと隙がなさすぎる気がして」
「隙って必要かしら?」
「た、確かに⋯⋯可愛くなると思ったけど、やっぱりいつもの長さにしておくよ」



