怒鳴られた挙句、
「卑弥呼の字が一文字も合ってないだろう!テストで漢字を間違えた場合、減点ではなく不正解だからな!」
ノートに書いた“日美子”の字の上から、赤ペンで“卑弥呼”と書かれてしまった。
(違う⋯⋯!僕のヒミコは、邪馬台国なんかじゃなく、すぐ目の前のお屋敷に居るのに)
中学2年にもなると、カップルも増えてきた。
相変わらず屋敷に入り浸っている玲司は、
「最近、学校内では急にカップルが増えて、ついて行けないな。日美子は⋯⋯恋したくない?」
ドキドキしながら尋ねたが、
「したくない。恋なんて、ただの感情でしょ。感情に振り回されて生きるなんて嫌。人類が歴史の中で繰り返す最も愚かなことは、戦争と恋なんじゃない?身を滅ぼすという意味で」
一般的には恋愛に興味津々の年頃の娘とは思えぬ、ドライな答えが返ってきた。
よりによって、戦争と同じ扱いとは⋯⋯玲司は肩を落とした。
「卑弥呼の字が一文字も合ってないだろう!テストで漢字を間違えた場合、減点ではなく不正解だからな!」
ノートに書いた“日美子”の字の上から、赤ペンで“卑弥呼”と書かれてしまった。
(違う⋯⋯!僕のヒミコは、邪馬台国なんかじゃなく、すぐ目の前のお屋敷に居るのに)
中学2年にもなると、カップルも増えてきた。
相変わらず屋敷に入り浸っている玲司は、
「最近、学校内では急にカップルが増えて、ついて行けないな。日美子は⋯⋯恋したくない?」
ドキドキしながら尋ねたが、
「したくない。恋なんて、ただの感情でしょ。感情に振り回されて生きるなんて嫌。人類が歴史の中で繰り返す最も愚かなことは、戦争と恋なんじゃない?身を滅ぼすという意味で」
一般的には恋愛に興味津々の年頃の娘とは思えぬ、ドライな答えが返ってきた。
よりによって、戦争と同じ扱いとは⋯⋯玲司は肩を落とした。



