そのように記載されてあった。
「なるほど⋯⋯」
 合体といったら、ロボットのことだと思い込んでいた無邪気な玲司は、わざわざ【合体】の意味まで調べることはなかった。
 ただ、特定の異性だとか、二人だけで一緒に居たいというのは、まさにその通りだ。
 学校にも女の子なら腐るほど居るのに、前から日美子と他の女の子は、どうしてこんなに違うのかと漠然と思っていた理由が、少しわかった気がした。

 恋心に戸惑いつつも、玲司はそれを悟られぬように、今まで通り、日美子の屋敷に通い続けた。

 誰に対しても愛情など全くなさそうに見える日美子だが、小動物への愛情はあり、ひよこのことをとても大切にしていた。
 玲司も一緒にひよこを愛でていたが、やがて、その愛らしい姿から、キンチョールのロゴそっくりの雄鶏に成長。

 あの夏祭りから半年も経つと、ニワトリは、毎朝、けたたましく鳴くようになった。