私たちは同じ中高一貫の女子校に通う親友だった。
いつも一緒で、少し人見知りで子供っぽいところがある私を、理緒はよく「仕方ないなぁ」という顔で助けてくれた。

理緒は昔から大人びた考えや表情をする子だったけれど、最近はそれがいっそう強くなった気がする。
私は高校2年にもなって、理緒に「ほんと子供だなぁ」とからかわれることが多い。


そんな彼女が――また入院。しかも大学病院だなんて。
本当に理緒は大丈夫なんだろうか。

思い返せば、一年ほど前からだった。
頻繁に入退院を繰り返すようになって、心臓が悪いと言って体育の授業にはまともに参加しなくなった。
ここ最近では、電車に遅れそうでも走る姿を見たことがない。
階段を登るときも、少し息が上がって、苦しそうに笑ってごまかす。

……中学時代は、バスケ部のエースだったのに。
誰よりもコートを走り回って、チームを引っ張っていた理緒の姿を知っているからこそ、今の彼女が別人のように思えた。

それでも私は、どこかで「きっと大丈夫」と信じたかった。