2人分の恋

土曜日の朝。

ダブルデートまで、あと数時間。

花音は、スマホを握りしめたまま、ベッドの上で考えながらごろごろしていた。

律と、初めての私服でのデート……めっちゃドキドキする。

何着ていけばいいかもわかんない。

インスタを開いて、「デート服」と検索。

ミニスカ、オフショル、淡色コーデ——流行はわかるけど、どれも自分に似合う気がしない。

オフショルとか、そんなスタイルよくないし……

画面をスクロールし続けても、ピンとくるものは見つからない。

ため息をついて、インスタを閉じる。

そして、LINEを開いて、ひよりを選んだ。

「ひより~ダブルデートの時、何の服着ていけばいいかわかんなくて、、私に何が似合うと思うかな?」

送信っと。

すぐに、ひよりから返信が来た。

いつも通り、返信早いなー

「んー最近のトレンドと、花音のいつもの感じ組み合わせるとか?」

そうしたいと思ってるんだけど、それが分かんないのよー

「私のファッションセンスがなくて、それもわかんないの~」

そう返すと、しばらく返信が止まった。

そして、数分後——

「じゃあさ、土曜日、花音の家行っていい?花音の持ってる服で最強にかわいくしてあげる♡」

ええ。いいの!?

ファッションセンス皆無の私にとって、ほんと~うにありがたい。

「え、いいの!ありがとう!」

そして、デートの3時間前。

花音の部屋に、ひよりがやってきた。

すっごくかわいい服を着ていて、そのうえ、大きいバッグに小さいバッグを抱えている。

しかも、大きいバッグはパンパン。

「そんな大荷物でどうしたの?」

思わず尋ねると、ひよりは笑って答えた。

「コスメと、アクセとか!」

え、ひより、メイクするの!? 大人すぎん!?

「え、ひよりメイクできるんだすごっ」

「花音にメイクするために、自分のカラーと花音に合いそうなカラー、持ってきたんだよー」

ええ、まさか私にしてくれるの!?

心の中で拍手喝采。

そして、ふたりの“かわいくなる作戦”が始まった。

まずは服選び。

ひよりはもう着替えているので、花音のクローゼットを開ける。

「花音、可愛い服めっちゃ持ってるじゃん!」

「そうかな……自分でコーデとか組んだことないし、自覚ない」

「これ、いいんじゃない?これとこれを組み合わせたら、可愛いじゃん!」

言われて見てみると、今まで試したことのない組み合わせ。

でも、すっごくかわいい。

しかも、浮いてる感じもない。

「ひより~ありがとうー」

ひよりは笑って、「まだまだあるからね!!」とウインク。

そのあと、ひよりに飛び切り可愛いメイクをしてもらって、ふたりは20分も余裕をもって集合場所に向かった。

鏡に映る自分が、いつもの私と違って、なんか気分も上がった。