2人分の恋

昼休み。

教室の隅で、ひよりが机に突っ伏していた。

「花音〜……あのさ、デートに誘いたいんだけど、まーったくわかんなくてどうしよー」

声は沈んでるのに、どこか楽しそうでもある。

花音は、ノートを閉じながら「んー」と考え込む。

そして、ふと顔を上げて、ぱっと笑った。

「……あっ!みんな顔見知りだし、ダブルデートしない?」

と提案した。

ひよりは、目を輝かせた。

「え、めっちゃいいじゃん!やろやろ!」

こういうのには、いつもノリノリなひより。

すぐに乗り気になった。

彼女同士で、あっという間にダブルデートが決まった。

放課後。

帰り道で、花音は律の隣を歩きながら、そっと話を切り出した。

「ねえ、今度さ、ひよりと蒼太くんと、4人で出かけない?」

律は、少し眉をひそめる。

「ええ……あの蒼太?最初、花音に色目使ってたやつじゃん」

花音は、苦笑しながら肩をすくめる。

もう、全く律は、、、とあきれながら花音は返す。

「いやいや、ひよりが彼女だから、今は彼女に全ぶりだってば。 しかも、何回も言ってるけど、蒼太くんは委員会が一緒なだけだし」

律は、しばらく黙っていたけど、やがてふっと笑った。

「……まあ、花音がそう言うなら、、、行こっか、ダブルデート」

翌日、昼休み。

ひよりは、蒼太くんを廊下に呼び出した。

「ねえ、今度さ……みんなで出かけない?ダブルデート的なやつ」

蒼太くんは、目を丸くした。

「え、デート!?……あ、いや、うん。行きたい。めっちゃ行きたい」

照れながらも、快くOKしてくれて、予定はすんなり決まった。


その日の放課後、4人でグループLINEを作った。

名前は「ダブルデート予定♡」

アイコンは、ひよりが選んだカフェの写真。

スマホの画面に並ぶ4人の名前が、なんだか特別で、にやにやしながら眺めた。