委員会の日。

教室を出ようとした瞬間、ひよりが後ろから声をかけてきた。

「ねえねえ、今日の委員会って、蒼太くんいるんだっけ?」

「いるけど……なんで?」

「いやー、なんとなく??」

そう言いながら、ひよりは頬をほんのり赤く染めていた。

しかも、その視線はずっと蒼太くんのほうに向いてる。

——ひより、もしかして…。

「ひより、もしかして……蒼太くんのこと、、、」

びくっと肩を震わせて、ひよりがこっちを見た。

「あ、え、いやいや、好きとかじゃないからね!!」

食い気味に否定してくる、逆にわかりやすい。

「も〜照れない照れない。ほんとは好きなんでしょ?」

私がからかうように言うと、ひよりは観念したように、小さな声で答えた。

「……そうだよ」

顔を真っ赤にしてるひよりが、めちゃくちゃかわいかった。

私も律と付き合ってから、ちょっとは恋愛鈍感卒業できたかも。

そんなことを思いながら、こっそり聞いてみた。

「いつから好きだったの?」

「……半年前くらいかな。花音が委員会のこと聞いてるうちに、なんか気になっちゃって」

ひよりは、照れくさそうに笑った。