それから、、、

「花音、今日も一緒に帰ろうぜ」

「……うん」

告白してから、律はちょっと変わった。

いや、だいぶ変わった。

毎朝、昇降口で待ってる。

昼休み、ひよりと話してると、ちょっとだけ割り込んでくる。

帰り道、荷物を持とうとする。

そして、何かと褒めてくる。

「今日の髪型、なんかいい感じだな」

「そのペン、花音っぽい。かわいい」

「ノート、めっちゃ字きれいじゃん」

——なんなの、この溺愛モード。

ひよりは、隣で笑ってる。

「律、完全に“好きな子に全力”モード入ってるね」

「……うるさい」

でも、嫌じゃなかった。

むしろ、ちょっと嬉しかった。

美羽のことも、もう大丈夫。

ひよりがちゃんと止めてくれたし、律も守ってくれた。

だから今は—— 律の隣で、少しずつ“好き”を実感してるところ。

「花音、明日も一緒に登校しようぜ」

「……うん。いいよ」

律の笑顔が、まぶしかった。