最強で、最孤



会場となる市民体育館には、すでに何台もの車が停まっていた。

看板には「市中学校総合体育大会 剣道競技」と大きく書かれている。

母と並んで正面玄関をくぐると、熱気が一気に押し寄せた。

体育館の中は、選手たちの掛け声と足音が響き、大会独特の緊張と興奮に満ちていた。

観客席では顧問たちが慌ただしく動き回り、保護者はカメラのセットをしている。

床は丁寧に、きれいに磨かれ、照明の光が反射してまぶしい。

壁には、様々な学校の横断幕が力強く掲げられている。

《一戦必勝》 《雲外蒼天》 《心を一つに!》

そんな中、ひときわ目を引いたのは、

《優勝しか見えてない。二橋中剣道部》

その横断幕を見た瞬間、瑠那は思った。

(私は......何を見てる?)

勝利だけじゃない。孤独でもない。

“私たち”で勝ちに行く——そう、決めたはずだ。