その夜、瑠那は帰宅してからも白石の顔が脳裏に残っていた。

自分も、ずっと昔は同じ立場だった。

「頑張ってるのに、報われない側」

だった。

でも、だからこそわかる。

本気でぶつかってきた白石の言葉が、胸に深く刺さっていた。

(私は勝たなきゃいけない。ただ強いだけじゃなく、あの子たちの“希望”として)

総決意した瑠那の目は、ついにやって来る“本番”をまっすぐに見据えていた。