クール女子との同居生活。

「もしもし、聞こえているか?」

 父さんからの通話のはずなのに、桜田代表の声がした。

「はい、ですが…」

「お父様は一条代表と一緒に居るのですか?」

 俺の言おうといしたことを桜田さんに取られてしまった。

 やはり、桜田さんも同じことを思ったらしい。

「久しぶり、美亜ちゃん!」

「もう、昨日会ったばかりよ。海斗君もこんばんは」

 次々と母さんと桜田夫人が出てきた。

 4人全員一緒に居たのか…

「何か用があるんですか?」

 普段はメッセージがほとんどなのに、珍しく、父さんたちからの電話だ。

 …嫌な予感しかしない。

「もう、二人の様子が気になっただけよ?二人とも、結婚するんだし仲が良いに越したことはないでしょ?」

 母さんの過干渉は、昔からだが、変に空回らないことを祈るばかりだ…

「我が財閥の一つの会社の新しいプロジェクトで、友人同士や恋人同士で、お互いのことを知ったり、距離をつめるためにやるゲームを開発したのよね。」

「そこで!、そのゲームをやって仲を深めつつ、改善点を探そうという話になったのよ!」

 …つまり、ほぼ初対面の許嫁と、既に仲が良い友人や恋人とやるゲームをするということか?

 相変らず無茶苦茶なことを言うな…

「これは社長命令だ。覆すことは許さない。」

 割とノリノリなんだよな、父さんも桜田代表も。

 止めてくれよ、本当に…

 でも、父さんと桜田代表は、母さん達にベタ惚れだから、逆らえないんだよな…

「俺と桜田さんは初対面なんですよ、さすがに…」

「ッッ」

 桜田さんが俺の発言に傷ついたような、悲しそうな顔をしていたのは、気のせい、何だろうか。

 結局、俺の発言はむなしく、そのゲームも同居中にやることになった。