クール女子との同居生活。

 俺と桜田さんはそれぞれ自分の部屋に戻り、俺は勉強をしていた。

 勉強の区切りが良く、時間もちょうど良かったため、俺は夕飯を作り始めた。

 …料理は俺の趣味だ。手芸も好きだし、絵を描いたり、本を読んだり、音楽を奏でたり、歌を歌ったりと、好きなことは多いが、勉強には役に立たないし、会社の経営には必要ない。

 桜田さんなら、何でもこなしてしまうし、こんな悩みも持たないんだろうな。まぁ、彼女なりの苦悩もあるんだろうけども。

「このいい匂いは何ですか?」

 匂いにつられるように、二階から降りてくる彼女。

「夕飯だよ。ペペロンチーノだけど、食べる?」

 コクコクと首を縦に振り、キラキラした瞳で俺の作ったものを見つめる桜田さんに、俺は自然と手を伸ばす。

 サラサラとした髪がどうしようもなく綺麗で、不思議そうに見つめる君の瞳がまぶしくて、ずっと触れていたい、とさえ思っていた。

「あ、あの…」

 少し経ってから、桜田さんの声にはっとして手を引っ込めた。

「ご、ごめん」

「い、いえ」

 なんだか、気まずい雰囲気になってしまったな。

 桜田さんといると、調子が狂う。

 プルルルッ プルルルッ

 俺のスマホの画面には、「父さん」と書かれた画面が表示されていた。