クール女子との同居生活。

「こんなに要らないだろ…」

 財閥の御曹司と令嬢の同居といっても、一年間限定の期限付き。

 マンションの部屋でも借りるのかと思っていた俺の予想をはるかに裏切り、俺の目の前には一軒の大豪邸があった。

 さすがに一条家本家の半分もないが、それでも大きすぎる。
 
「終わった後は、別荘にでもするつもりなのか…?」

 相変わらずな人達に呆れ、頭を抱える。

 ふと、後ろを振り返るとそこには、桜田さんが立っていた。

「ここが、私と一条君の暮らす家になるんですよね?」

 桜田さんも驚いているのか、目を見開いている。

 …桜田さんってクールに見えて、感情が顔に出るんだな。

 いつもの桜田さんとのギャップを感じ、なんだか、今まで感じたことのない暖かな感情が流れてくる。

 そして、桜田さんがどうしようもかわいく思えた。

 …いつもの俺は、こんなこと思わないはずなのにな。