気まぐれヒーロー2




「これだけはわかってて。私は本城咲妃から田川を奪おうなんて、これっぽっちも思ってない。みんながそう思い込んでるのは、知ってる。でも……真実はそうじゃない。そんなくだらないことで、私は必死に戦ってるわけじゃない」



彼女に弁解することも、事実を訴えることもしなかったのは、私だから。

朝美が噂を鵜呑みにしてしまったとしても、責めるべきじゃないし、それが私と朝美の距離だということ。



「ごめん、もも……ごめんね……!!!」



声を震わせて謝る朝美。
彼女に悪意がないことは、見抜いている。

だから、朝美にも本当のことを言おうって思ったんだ。

涙を零す朝美を慰めるつもりで、声をかけた……んだけど。



「朝美、もういいよ──」
「ももはハイジくんのことが好きだったのね!!」



──え?


いや……

え?

今、なんと……?



「ごめんねアサミ今まで勘違いしてたの!だってまさかももがハイジく──ぐむっ」
「ホワーイ!!ワタシナンニモキコエマセンヨー!!」



なあに言ってくれちゃってんだオメーさんはよォ!!ああ!?異国に来ちまったのかと一瞬焦ったじゃねーかコラ!!ビックリしすぎて思わずハイジを二度見しちまったじゃねえか!!


とりあえず、朝美の首を絞めといた。


飛野さんに「花鳥、も、もうやめとけ!オチる寸前だ!」と慌てて止めに入られて、ようやく我に返る。


朝美は白目を剥き、半分逝ってた。


私は「や、やだ~ももちゃんってば、早と・ち・り☆」なんて星を飛ばし、ウインクに加えベロを可愛らしくペロッと出してみたりして。

前回より、ほんのりバージョンアップしてみた。



ハイジとタイガは、青ざめて顔を見合わせ──


「どど、どーすんべ、とうとう本格的にイカレちまったじゃねーか!し、知らねえぞ俺は!!」

「待てよ、クロちゃんがアイツを脅したりするからじゃねーの!?そーだ、キュ、キューキューシャだ、キューキューシャ呼ばねえと!!」

「え、アレか!ピーポーくんか!!どこに連れてくんだ、精神科か!?こんな時間にやってんのか!?」

「緊急だから対応してくれんだろ!?」

「ちょっと待て、冷静になれ!万が一アイツが壊れちまってたら、俺らが悪ィってことになるんだよな!?ヤベーだろ!オマワリさんに逮捕されちまうんじゃねえのか!?」

「いや、でももう壊れてるし!!それより手遅れでアイツがユーレイになったりしたら、憑かれるかもしんねーじゃん!!枕元に立たれたら、ぜってー心臓止まるし!!そしたらもうカルピス飲めなくなんだぜ!?俺そっちの方が嫌だ!!」



なんかもう動転しすぎてて、意味わからんかった。