「これだけはわかってて。私は本城咲妃から田川を奪おうなんて、これっぽっちも思ってない。みんながそう思い込んでるのは、知ってる。でも……真実はそうじゃない。そんなくだらないことで、私は必死に戦ってるわけじゃない」
彼女に弁解することも、事実を訴えることもしなかったのは、私だから。
朝美が噂を鵜呑みにしてしまったとしても、責めるべきじゃないし、それが私と朝美の距離だということ。
「ごめん、もも……ごめんね……!!!」
声を震わせて謝る朝美。
彼女に悪意がないことは、見抜いている。
だから、朝美にも本当のことを言おうって思ったんだ。
涙を零す朝美を慰めるつもりで、声をかけた……んだけど。
「朝美、もういいよ──」
「ももはハイジくんのことが好きだったのね!!」
──え?
いや……
え?
今、なんと……?
「ごめんねアサミ今まで勘違いしてたの!だってまさかももがハイジく──ぐむっ」
「ホワーイ!!ワタシナンニモキコエマセンヨー!!」
なあに言ってくれちゃってんだオメーさんはよォ!!ああ!?異国に来ちまったのかと一瞬焦ったじゃねーかコラ!!ビックリしすぎて思わずハイジを二度見しちまったじゃねえか!!
とりあえず、朝美の首を絞めといた。
飛野さんに「花鳥、も、もうやめとけ!オチる寸前だ!」と慌てて止めに入られて、ようやく我に返る。
朝美は白目を剥き、半分逝ってた。
私は「や、やだ~ももちゃんってば、早と・ち・り☆」なんて星を飛ばし、ウインクに加えベロを可愛らしくペロッと出してみたりして。
前回より、ほんのりバージョンアップしてみた。
ハイジとタイガは、青ざめて顔を見合わせ──
「どど、どーすんべ、とうとう本格的にイカレちまったじゃねーか!し、知らねえぞ俺は!!」
「待てよ、クロちゃんがアイツを脅したりするからじゃねーの!?そーだ、キュ、キューキューシャだ、キューキューシャ呼ばねえと!!」
「え、アレか!ピーポーくんか!!どこに連れてくんだ、精神科か!?こんな時間にやってんのか!?」
「緊急だから対応してくれんだろ!?」
「ちょっと待て、冷静になれ!万が一アイツが壊れちまってたら、俺らが悪ィってことになるんだよな!?ヤベーだろ!オマワリさんに逮捕されちまうんじゃねえのか!?」
「いや、でももう壊れてるし!!それより手遅れでアイツがユーレイになったりしたら、憑かれるかもしんねーじゃん!!枕元に立たれたら、ぜってー心臓止まるし!!そしたらもうカルピス飲めなくなんだぜ!?俺そっちの方が嫌だ!!」
なんかもう動転しすぎてて、意味わからんかった。


