「もぉ……そんなこと言うから……涙、止まんないじゃん……」
鼻はぐずぐずだし、泣き顔だってぐちゃぐちゃな私に、
「ぎゃはははは!!やべえ、やべえぞそのツラ!!は、腹が痛え!!」
「ぶはははは!!ブッサイクだな~お前!!顔面クラッシュしてんじゃねーか!!!うはははは!!!」
エロ帝王とカルピス命のまりもっこりは、腹抱えて爆笑していた。
飛野さんに二人とも思いっきりげんこつをくらっていたものの全く効き目はなく、笑い転げていた。
やっぱりこの二人、似てる。
ジローさんが静かなのが気にはなったけど、それよりも金と緑にムカついてしょうがない。
この状態でさらに笑いキノコでも食わせて、窒息死させてやろうかと思った。
倉庫の照明の下、しばらくの間コイツらの耳障りな笑い声が響き渡っていた。
ほんのちょっとだけ、周りのおにーさん達からも押し殺した笑いが漏れ聞こえてきたのは、幻聴だと思いたい。
涙と、若干垂れてきた鼻水を制服の袖口でぐいっと拭う。もちろん、タイガの制服で。
案の定、「あ!オメー俺の制服で拭くんじゃねーよ汚え!!」と文句を言われた。
さっきは『やるよ』って言ったくせに、どっちなんだ。
挙げ句の果てには、私のブラジャーの柄とカップまで大声でバラされそうになったから、慌てて口を塞いだ。
どうやら初対面でも、エロ帝王は胸のカップを当てられるらしい。しかもスリーサイズもほぼわかるらしい。
さすがエロを極めた男。恐ろしい。
貧乳だの、ジローに揉んでもらえだの。
デカさより形だ、脱いで見せてみろだのと。
散々セクハラを受けた私を助けてくれたのは、やはり純情料理人の彼だった。
金髪の脇腹をくすぐり倒していた。
付き合いが長いだけあって、飛野さんはタイガの弱点を的確に攻めていた。
途端にタイガは借りてきた猫みたいに大人しくなり、上辺だけだろうけれど飛野さんに謝って、『くすぐりの刑』からようやく解放されていた。
なんか、見ていて面白い。
この二人も、なんだかんだ仲が良いなと思う。正反対なのに。


