気まぐれヒーロー2




流れる涙は決して、悲しみに暮れる涙じゃない。


“鴉”は“鷹”に生まれ変わった。

お兄ちゃんの誇りや夢、生きた軌跡が消えてしまわないように。

彼らが、生かしてくれている。


切なくて、でも嬉しくて。

どうしようもなく胸を締めつける。




「……やっぱりオメーは、俺達の仲間にはなれねえ」




不意に、控えめながらも真剣な声がぽつりと、私の耳に届いた。

その言葉を口にしたのは──私の視線の先にいる、金色のトラ。


私は“鷹”にはなれない。


言い渡された現実に、愕然とするものの、仕方ないと受け止めるしかなかった。


彼らがそう……決めたのなら。


私を、受け入れてくれないのなら。




「そ~んなナキムシなお姫さんはよォ」

「……へ?」




次の瞬間、よく聞き慣れた能天気な声に、不意を突かれた。


ぽかんとする私に、タイガが浮かべてみせたのは──

いつもの、意地悪くも温かい笑み。




「お姫さまってのは、守られんのが専売特許だろ?」

「……飛野さん……」




屈託のない笑顔を見せながら、飛野さんがタイガに続く。



そして──




「ま、そういうことだな。お前は、大人しく守られてりゃいいんだよ」




ハイジが。
いっつも私をからかってくる、あの嫌味なアイツが。

今は、穏やかに笑っていた。


初めて、私に優しい笑顔を向けてくれたんだ。



──ほらね。



彼らは、どこまでも私のヒーローでいてくれる。



お兄ちゃん。

やっと、わかったよ。


お兄ちゃんの意志を、彼らはちゃんと受け継いでる。



私をそうとは知らずに、守ってくれていた。


旅立ってしまった今でも──

お兄ちゃんは、私を見守ってくれてるんだね。



不器用だけど、心優しい仲間たちとの縁を繋いで、私を守ってくれてたんだね。