(※ここから数ページ、性的に不快に感じられる可能性のある表現があります。ご注意ください)
私と朝美が話している間に、ユウくんがヒロくんを呼び出して部屋を出ていったこと。
それを知らなかったのは、朝美のハイパーくねくねダンスと、ねちっこい引き止めに気を取られていたせいだった。
それから少しして。
彼らが戻ってきた──はずだったのに。
「コイツら?今回の獲物」
入ってきたのは、あの二人じゃなかった。
ぞろぞろと、人相の悪い大柄な男達が四人。
その後ろで、青ざめた顔をしてうつむいているのは、ユウくんとヒロくん。
瞬間、直感した。
ヤバイって。
かなり、ヤバイって──。
やっぱり、あの時帰るべきだった。
ユウくんが私をここに留めたのも、仕組まれた罠にかけるためだったんだ。
どうして気がつかなかったんだろう。
どうしてあの時、朝美と彼らの制止を振り切ってでも、出て行かなかったんだろう。
けれど──もしそうしていたら、代わりに朝美が危ない目に遭っていたかもしれない。
どちらにしても、私は後悔するハメになる。
「ちょーっとお顔見せてくれる?」
四人のうちの一人が、気味の悪い笑みを浮かべ、私に近づいてきた。
伸ばされた手から逃げようとしたけれど……体は恐怖で硬直して、後退すらできない。
顎をぐっと掴まれ、顔を無理やり上げさせられる。
男はいやらしい目つきで、物色するように私を覗き込んだ。
“翔桜ってさあ……裏でけっこうヤバイことやってるって噂だよ”
“だよね。魁帝の次に、危ないって……”
噂は耳にしてたはずだった。
翔桜もヤンキーが多くて、危険な話を何度か人伝いに聞いたことがあったんだ。
今目の前にいる四人の男も、翔桜の制服を着ていた。
ユウくんやヒロくんなんかよりもずっと、危険な雰囲気を纏っている。
二人が、可愛らしいとまで思えてしまうほどに。
この四人は正真正銘、“ホンモノ”だ。
「まあまあってとこだな、俺の許容範囲内」
「お前基準高ェんだって!十分勃つっての」
「つーか、早くヤろうぜ」
下品なセリフを口々に吐き、男達は卑しく笑う。
心臓が破裂しそうなくらいに脈打ち、呼吸さえも苦しかった。
男が私の顔から手を離した瞬間、解放されたと思ったのも束の間──
私はソファーに突き飛ばされた。
「電気消せ」
そう男が命じると同時に、室内を照らしていた明かりが落ちた。
真っ暗……とまではいかないものの、ぼんやりとしか周りの様子が確認できない。
誰の顔も、見えなかった。
「っ、……!!」
直後、体にのしかかる重み。
仰向けに倒れた私の上に、男が馬乗りになってきた。


