気まぐれヒーロー2


(※ここから数ページ、性的に不快に感じられる可能性のある表現があります。ご注意ください)




私と朝美が話している間に、ユウくんがヒロくんを呼び出して部屋を出ていったこと。
それを知らなかったのは、朝美のハイパーくねくねダンスと、ねちっこい引き止めに気を取られていたせいだった。


それから少しして。
彼らが戻ってきた──はずだったのに。




「コイツら?今回の獲物」




入ってきたのは、あの二人じゃなかった。


ぞろぞろと、人相の悪い大柄な男達が四人。

その後ろで、青ざめた顔をしてうつむいているのは、ユウくんとヒロくん。


瞬間、直感した。


ヤバイって。

かなり、ヤバイって──。


やっぱり、あの時帰るべきだった。

ユウくんが私をここに留めたのも、仕組まれた罠にかけるためだったんだ。


どうして気がつかなかったんだろう。

どうしてあの時、朝美と彼らの制止を振り切ってでも、出て行かなかったんだろう。


けれど──もしそうしていたら、代わりに朝美が危ない目に遭っていたかもしれない。


どちらにしても、私は後悔するハメになる。



「ちょーっとお顔見せてくれる?」



四人のうちの一人が、気味の悪い笑みを浮かべ、私に近づいてきた。

伸ばされた手から逃げようとしたけれど……体は恐怖で硬直して、後退すらできない。

顎をぐっと掴まれ、顔を無理やり上げさせられる。
男はいやらしい目つきで、物色するように私を覗き込んだ。



“翔桜ってさあ……裏でけっこうヤバイことやってるって噂だよ”
“だよね。魁帝の次に、危ないって……”



噂は耳にしてたはずだった。

翔桜もヤンキーが多くて、危険な話を何度か人伝いに聞いたことがあったんだ。


今目の前にいる四人の男も、翔桜の制服を着ていた。


ユウくんやヒロくんなんかよりもずっと、危険な雰囲気を纏っている。

二人が、可愛らしいとまで思えてしまうほどに。


この四人は正真正銘、“ホンモノ”だ。


「まあまあってとこだな、俺の許容範囲内」
「お前基準高ェんだって!十分勃つっての」
「つーか、早くヤろうぜ」


下品なセリフを口々に吐き、男達は卑しく笑う。

心臓が破裂しそうなくらいに脈打ち、呼吸さえも苦しかった。


男が私の顔から手を離した瞬間、解放されたと思ったのも束の間──
私はソファーに突き飛ばされた。



「電気消せ」



そう男が命じると同時に、室内を照らしていた明かりが落ちた。


真っ暗……とまではいかないものの、ぼんやりとしか周りの様子が確認できない。


誰の顔も、見えなかった。


「っ、……!!」


直後、体にのしかかる重み。


仰向けに倒れた私の上に、男が馬乗りになってきた。