気まぐれヒーロー2




まさかのタイガのセリフに、きょとんとする。



「そーなったら悲惨だもんな~。責任取って……って。なーにマジヅラしてんだオメーは」



ソファーの背もたれに両腕を広げて乗せ、いつも通りふんぞり返って話していたタイガは、何も言ってこない私が気になったのか、肩越しに視線をよこしてきた。



「……ジョーダンだぞ」

「わ、わかってるよ」



わかってる。いつもの軽いノリだってことくらい。

でも、「娶る」とか言われたら。
たとえ相手がタイガであろうと、一瞬でもドキッとしちゃうのはしょうがないじゃん。

これでも一応は、性別上は“女”なんだからさ。



「だいたいな、そんなに自分のカラダに自信あんのか。“損”どころか“得”だと思えよ。この俺に“見てもらえた”んだからよ」



面倒くさそうに続けながら、ガラステーブルに置いてあるリモコンを手に取るタイガ。
「せっかくイイトコだったのに邪魔入っちまった」とぶつぶつ文句を言いながら、テレビの電源をつけた。



「一人前に恥ずかしがんなら、これくらいのスタイルになってからほざけ」



バカでかい画面に、パッと映し出されたのは艶めかしい映像。

男女が、生まれたままの姿で絡み合っている。


我が目を疑ったのは、言うまでもない。


そして、部屋中に大音量で響くのは──


女の人の、とってもイヤラシイ喘ぎ声。


部屋の空気が一気に、ピンク色に染まってしまった。



信じらんない……

コイツ、私たちがお風呂入ってる間……AV見てやがった!!!



「ウソ、ちょっとヤダ、バカ!!なんてモノ見てんのよ!!」



スピーカーから流れ続ける卑猥な音は聞くに堪えず、画面なんてもちろん直視できない。

私は慌てて立ち上がり、ソファーにもたれてAV鑑賞しているタイガの正面へ回り込むと──

ヤツの手からリモコンを奪い取ろうと、勢いのまま手を伸ばした。