気まぐれヒーロー2




「いつまでそーやってんだよ」



あれから。

タイガに、全部を見られちゃってから……。


浴室からどうやってここまで来たのか、記憶がない。


今私は、前に晩ご飯をご馳走になった、あの広い部屋にいた。


タイガは部屋の中央、白い長ソファーにどかっと腰を下ろしている。

ジローさんはキングサイズのベッドで、うつ伏せのまま顔だけ横に向けて、寝かされていた。
一応腰にはバスタオルを巻いてもらって。


そして私は……部屋の隅っこで、膝を抱え三角座り。


顔、上げられない。
タイガと目、合わせられない。


もうちゃんと制服着てるし、どうってことないんだけど。

それでも、ムリ。
さっきのが本気でショックだった。

なんかタイガだったら、服着てても透けて見えてそうでイヤだ。


何でなんだろう。

何で……よりによって、エロ帝王だったんだろう。


他の誰かだったらいいってワケでもないんだけど。



「お嫁、行けない……」

「あ?」



ぼそっと漏れた声に、タイガがめんどくさそうに聞き返してきた。



「もうヤダ……なんでいきなり入ってくんのよ……」

「きんきゅー事態だったからだろ」

「だからって、だからって……!お風呂入ってたのわかってるくせに……!」

「だから5秒やっただろーが。なのにオメーはぼさっとしたまんまで、なーんも隠そうとしねーしよォ。見てくださいって言ってるようなもんじゃねーか」

「違うもん!!バカバカ!!」



がばっと顔を上げ、勢いのまま噛みついた。



「あんだよ、俺が見なくたってもともとヨメにゃいけねーだろ」



私の乙女心なんて、タイガはちっともわかってくれない。


それどころか、ぐさりとナイフを突き立ててくる。


もう、マジ泣きしたい。

涙目になって俯く私を見て、少しばかり罪悪感を抱いてくれたりしたんだろうか。


タイガは、



「ま、地球上の男全員誰ももらってくれねーってんなら──サイシュー手段、俺が(めと)ってやるよ」



慰めなのか何なのか。そんな言葉をかけてきた。