そして──。
落ちちゃった彼の手が、はしっ、と掴んだモノは。
「っ、!!」
私の……
ほんの、ほんの少しだけ主張している、胸の膨らみ。
「な、ん、だ……コレ……タマになんで、こんな、柔らか……」
ジローさんが目をまん丸にして、驚いてるのも。
思いっきり気が動転してるのも。
無意識なんだろうけど……その大きな両手にすっぽり納まっちゃう私の胸を、確かめるようにもみもみしてるのも。
何もかも、意味不明だった。
というよりも、私の脳がこの現実を受け入れることを拒否していた。
「いっ、──」
だけど私の意思とは無関係に、
「いやああああああ!!!」
口から飛び出したのは、家全体に響き渡るような大絶叫。
その叫びと同時に。
ジローさんの鼻から、真っ赤な噴水が豪快に噴き上がった。
明日、地球は爆発するんだ。
隕石が落ちてきて消滅してしまうんだ。
そうだ、絶対そうだ。
だから……気にすることないんだ。
お、お、おお、おっぱい揉ま、揉まれたことくらい……!!
遠い目をしてみた。
別にどうってことないのよ、ふふん。
なんて強気でいたかった。
そうよ。わ、私ペットだし。
ペットの体触ることくらい、ご主人様なら当然……
「わあああんダメよ!!やっぱりダメえええ!!」
どうしても犬になりきれない!!
人間としてのプライドを捨てきれない!!
っていうか、全て強がりに過ぎない!!
だって……ショックなんだ。本気で。
好きな人だよ。
大好きな人、なんだよ……!
ジローさんとは、ちゅーしちゃったりしてるけど……それは彼がペットを可愛がるというノリで、“舐めてる”だけのことだし。
まだ名前で呼ばれたことないし。
まず人間として見てもらうとこから始めないといけないのに。
その前に順番を色々とすっ飛ばして、こんな、こんなコト……。
いや、一緒にお風呂入ってる時点でめちゃくちゃじゃん。


