気まぐれヒーロー2




そして──。

落ちちゃった彼の手が、はしっ、と掴んだモノは。



「っ、!!」



私の……
ほんの、ほんの少しだけ主張している、胸の膨らみ。



「な、ん、だ……コレ……タマになんで、こんな、柔らか……」



ジローさんが目をまん丸にして、驚いてるのも。
思いっきり気が動転してるのも。

無意識なんだろうけど……その大きな両手にすっぽり納まっちゃう私の胸を、確かめるようにもみもみしてるのも。


何もかも、意味不明だった。

というよりも、私の脳がこの現実を受け入れることを拒否していた。



「いっ、──」



だけど私の意思とは無関係に、



「いやああああああ!!!」



口から飛び出したのは、家全体に響き渡るような大絶叫。

その叫びと同時に。

ジローさんの鼻から、真っ赤な噴水が豪快に噴き上がった。


明日、地球は爆発するんだ。

隕石が落ちてきて消滅してしまうんだ。


そうだ、絶対そうだ。


だから……気にすることないんだ。


お、お、おお、おっぱい揉ま、揉まれたことくらい……!!



遠い目をしてみた。


別にどうってことないのよ、ふふん。
なんて強気でいたかった。


そうよ。わ、私ペットだし。
ペットの体触ることくらい、ご主人様なら当然……



「わあああんダメよ!!やっぱりダメえええ!!」



どうしても犬になりきれない!!
人間としてのプライドを捨てきれない!!


っていうか、全て強がりに過ぎない!!


だって……ショックなんだ。本気で。

好きな人だよ。

大好きな人、なんだよ……!


ジローさんとは、ちゅーしちゃったりしてるけど……それは彼がペットを可愛がるというノリで、“舐めてる”だけのことだし。

まだ名前で呼ばれたことないし。

まず人間として見てもらうとこから始めないといけないのに。


その前に順番を色々とすっ飛ばして、こんな、こんなコト……。


いや、一緒にお風呂入ってる時点でめちゃくちゃじゃん。