気まぐれヒーロー2




「ジローさん、やめて……」


ただでさえ湯船につかってるだけでノボせそうなのに、ジローさんからの刺激まで加わって、全身の血が煮え立つみたいに熱くて……意識が遠のきそうだった。

それなのに。


「お前、可愛すぎて無理」


懇願したって、彼は取り合ってはくれない。

私の肩に顔を埋める彼がちょっとでも喋ろうものなら、それだけで言い知れない感覚が頭の奥を麻痺させる。

生温かい舌がつつっと肌を滑ると、爪の先で撫でられたようなこそばゆさに声が漏れそうになって、抑えるのに必死だった。


ジローさん……どうしてこう、急にえっちなスイッチが入っちゃうんだろう……。

前もそうだったし、これが本性なの?

やっぱりジローさんも男だから、えっちなの?


それとも……これも犬とのスキンシップ!?


でも、今は……密室で二人きりで、お風呂に一緒に入ってて……しかも裸で……って!

よ、よく考えたらスゴいよこのシチュエーションは!!


いけない、その事実だけでくらくらして気絶寸前……。


ダメダメダメ!

今ここで気を失ったら、それこそ一生の恥!

誰に運ばれるかわかんないし、素っ裸を晒すわけにもいかない!!

ど、どうにか意識を保って。平常心で構えておかないと──。

って、極限まで追い詰められてる私の胸の内なんて、ジローさんがわかってくれるはずもなくて。

彼は、私の思考さえも奪っていく。


「、あっ……」


耳にかかる吐息で、ジローさんの呼吸がほんの微かに乱れているのがわかる。

次の瞬間、耳たぶを甘噛みされて……彼の舌が、艶めかしく、這う。


その動きに翻弄され、口を堅く結んでこらえていたのにあられもない声を出してしまい、羞恥に顔が赤く染まった。


出したこともない自分のそんな甘い悲鳴に、体温が急激に上がって、本気で倒れそうだっていうのに……



「んな声聞かされたら、ヤベえんだけど。お前やらけェし……止まんねえ」



私の耳を舐めながら、低く妖艶な声色で囁かれて。



「ぃやっ……!」



彼は私の体を、その手でまさぐってくる。


少しお湯が波打つ。

全身がびくっと強張って……胸の奥で、恐怖が芽生えた。


今のジローさんは、宇宙人でもなければボケボケでもなく、ウルトラマンジローでもなくて。


「ちょ、ちょっとストップ!ジローさん!わ、私タマですよ!?」


私には……ただの“男の人”にしか思えなくて。
怖かった。