気まぐれヒーロー2




「仕方がねえ、人の心は秋の空より変わりやすいって言うじゃねーか。人間ってのはそーいう生きモンだ」


ふと横から別の声が漏れる。

そちらに目をやれば、「ハァ……」とため息混じりに哀愁を漂わせるタイガーマスクがいた。


「特に女はよ~……」


急に何なんだ。


「なんだよ。フラレたのか、また」


バルタン飛野さんが、どこか楽しげに声をかける。


「っせーなァ、俺の運命のオンナじゃなかったんだよ。ひーちゃんも一途はいーけどよ、見込みねーんだろ?ならさっさと諦めて、次いったほうがいーぜ。数撃ちゃ当たるって。今のうちから仕込んどかねーと、子孫残せねーぞ。そのうち干からびたじーさんになって、タネも枯れちまったらシメーだろ。一人のオンナを想い続けんのが『ステキ~♡』なんて時代は終わったんだよ。ダセーぜ、ひーちゃん」

「…………」


この男……よくもまあ、ここまで口が回るもんだ。

それも一切噛まず、息継ぎもせずノンストップで。

その部分だけはちょっと感心するというか、私には真似できない。

色々と未知だわ、このタイガーマスク。


さっきのワクワクはどこへいったのか、バルタン飛野さんもタイガを見つめたまま固まってるし。

ヤツの饒舌さに圧倒されたのか、それともショックを受けているのか。


まあ、この二人は置いといて──



「ま、アンタらがやる気出るようにオマケつけてやるよ」



気になるのはこっち。

集中しなきゃいけないのは、ハイジと田川達の方だ。


ぐっと睨みを返す田川と本城咲妃に、ハイジは涼しい顔で応えた。



「俺らが負けたら、土下座拝ませてやる」