「仕方がねえ、人の心は秋の空より変わりやすいって言うじゃねーか。人間ってのはそーいう生きモンだ」
ふと横から別の声が漏れる。
そちらに目をやれば、「ハァ……」とため息混じりに哀愁を漂わせるタイガーマスクがいた。
「特に女はよ~……」
急に何なんだ。
「なんだよ。フラレたのか、また」
バルタン飛野さんが、どこか楽しげに声をかける。
「っせーなァ、俺の運命のオンナじゃなかったんだよ。ひーちゃんも一途はいーけどよ、見込みねーんだろ?ならさっさと諦めて、次いったほうがいーぜ。数撃ちゃ当たるって。今のうちから仕込んどかねーと、子孫残せねーぞ。そのうち干からびたじーさんになって、タネも枯れちまったらシメーだろ。一人のオンナを想い続けんのが『ステキ~♡』なんて時代は終わったんだよ。ダセーぜ、ひーちゃん」
「…………」
この男……よくもまあ、ここまで口が回るもんだ。
それも一切噛まず、息継ぎもせずノンストップで。
その部分だけはちょっと感心するというか、私には真似できない。
色々と未知だわ、このタイガーマスク。
さっきのワクワクはどこへいったのか、バルタン飛野さんもタイガを見つめたまま固まってるし。
ヤツの饒舌さに圧倒されたのか、それともショックを受けているのか。
まあ、この二人は置いといて──
「ま、アンタらがやる気出るようにオマケつけてやるよ」
気になるのはこっち。
集中しなきゃいけないのは、ハイジと田川達の方だ。
ぐっと睨みを返す田川と本城咲妃に、ハイジは涼しい顔で応えた。
「俺らが負けたら、土下座拝ませてやる」


