気まぐれヒーロー2



「誰も信じてくれなかった……!私の言葉を聞こうともしてくれなかった……!!違うのに……私、何にもしてないのに……!!」



蘇るのは、クラスメイトの眼差し。

最初から疑う目。からかうような口調。
嘘つきだと決めつける態度。


クラスメイトだけじゃない。

一年全員が、そうだった。


小春だけだったんだ。
私の傍にいてくれたのは。



「なら、今ここで話せ」



静まり返った中で、ただ一人応えてくれたのはハイジだった。

戸惑いながらも、顔を上げる。



「コイツらはお前に、何を言った」



ハイジが指す“コイツら”は、本城咲妃と田川大輔。


あの時、この二人が軽々しく言い放った言葉こそが──始まりだった。


全ての、元凶。


だけど、あの胸をえぐる感覚を思い出したくもなくて、口にするのも嫌で仕方なくて。

ハイジたち本人を前にして、生まれるのは躊躇いばかりだった。


途端に、口ごもってしまう。

視線もハイジから外れて、あてもなく彷徨う。


言わなきゃ。

今ここで。


あんなに“真実”を、みんなに知ってほしかったはずなのに。


伝えられるのは、今しかないのに。


それでも、私は、意気地がない。


まごついて、どうやってこの場をやり過ごそうか──そんなことばかり考えていた。


その時だった。




「言え!!!」




突如、廊下中に、張り裂けんばかりの怒声が轟いた。


肩がビクッと跳ねる。

心臓が破れるかと、思った。


それはジローさんたちを除く全員を、震撼させる。


獣が吠えるような怒号が、静寂を切り裂いた。


考えるまでもなく、肌で感じる。

腰を抜かしそうになるほどの威圧感。


一切迷いや甘えを許さない、空気。



それを作り出すのは、目の前の緑髪の男。