気まぐれヒーロー2




「アンタら、一年の間じゃ有名なんやなぁ。ぜんっぜん知らんかったわ」



へらりとケイジくんが笑う。

その視線の先には、鉄壁の二人が立っていた。


偽物の王子と、冷たい美しさを備えた女王さま。



「あたしは知ってるわ。風切慧次、灰次……アンタ達の方がよっぽど有名じゃない。悪い噂でね」

「へー。そりゃどーも」



ケイジくんのへらり顔に対して、本城咲妃は片方の口角だけを上げて、くすりと笑う。

そんな彼女に、ケイジくんはあっけらかんと答えていた。



「光栄やなぁ、こんなべっぴんさんに知ってもらってるなんて。なあ、ハイジ」

「どこが。ドブスだろ。性格の悪さが顔に出て、歪みまくってんじゃねーか」



な……なんて男だ、風切灰次!

ブスの前に『ド』をつけちゃうとは!!

しかも美人相手に!!



「まるであたし達が脅してるみたいな言い方だけど……それは、そっちでしょ?汚いのはどっち?」



だけど、そこはさすがというべきか。

本城咲妃はちっとも気にせず、攻撃の手を休めない。



「まあな、そう言われると否定はできん。けどそれは、“俺ら”の話や」



私はただ突っ立って傍観するしかなく、目の前で本城咲妃と渡り合うケイジくんは、まだまだ余裕で本気には見えない。


いいのかな。

騒動の当事者は私のはずなのに。

彼らに任せっきりで、ぼーっと眺めているだけで。

守られているだけで……。



「このコは、真っ白やろが」



ケイジくん──

頼れって、言ってくれたから?


一人でどうにもならないなら、頼ればいいって。



「パンツもな」



ハイジ……


殺す。