気まぐれヒーロー2




「生まれつきだったんだ……」

「……ん?」



ぼそっと呟いた私に、ハイジの視線が向く。
ウルトラマンジローを押さえてる私を、じっと見つめていた。


「もも、お前……」


正真正銘のまりもだということが発覚した、イケメンまりもっこり・ハイジが私を凝視していた。

驚いたように目を見開いたまま、固まっている。


私もぼーっと、その人型まりもっこりを見つめ返すだけ。

視線が絡んだまま、数秒の沈黙。


そして。

何を思ったのか、ヤツはすっと屈み込み、顔を寄せてきて──


ぺろりと、ほっぺたを舐めた。



「ぎゃあああああああ!!」

「なんだ?しょっぺー」



舐めた。

ハイジが、私を舐めた。


ジローさんみたいに、ぺろって。


舐められた。
こんな大勢の前で。ジローさんの前で。
しかもハイジに。まりもっこりに。


なぜ……

なぜ!?


頭が一瞬、真っ白になった。

私ってやっぱり食用だったんだ、とか。
ハイジのくせに、ヤツまで私を犬扱いしてるんだろうか、とか。

そりゃもう、色んなこと考えまくった。



「ももちゃんよォ、どーいうこったこりゃ。ジローちゃんか?ジローちゃんがお前をオイシ~く頂くために、こうなっちゃったの?まあ、そーいうプレイもありっちゃアリかもな~」



……何だって?

なにやらワケわからんことを口走ってくれちゃった、まりもっこり。


てかコイツ……なんかもぐもぐしてない?



「ちょっとあんた、人を舐めといて何食べてんの」



嫌な意味で、心臓がドキドキしてる。

ジローさんの時みたいな、甘いドキドキじゃない。


ハイジに舐められたっていう事実が、そうさせる。


ジローさんにだけ、許せる行為なのに。
……いや、許せはしないけど。

でも、それはジローさんだけの特別な行為のはずなのに……!



「何ってお前、キャベ──ぐはっ!」



ハイジが言いかけたその時、黒い影が視界をかすめた。

次に見た時には、ハイジはウルトラマンジローのウルトラパンチをモロに顔面へくらっていた。