「生まれつきだったんだ……」
「……ん?」
ぼそっと呟いた私に、ハイジの視線が向く。
ウルトラマンジローを押さえてる私を、じっと見つめていた。
「もも、お前……」
正真正銘のまりもだということが発覚した、イケメンまりもっこり・ハイジが私を凝視していた。
驚いたように目を見開いたまま、固まっている。
私もぼーっと、その人型まりもっこりを見つめ返すだけ。
視線が絡んだまま、数秒の沈黙。
そして。
何を思ったのか、ヤツはすっと屈み込み、顔を寄せてきて──
ぺろりと、ほっぺたを舐めた。
「ぎゃあああああああ!!」
「なんだ?しょっぺー」
舐めた。
ハイジが、私を舐めた。
ジローさんみたいに、ぺろって。
舐められた。
こんな大勢の前で。ジローさんの前で。
しかもハイジに。まりもっこりに。
なぜ……
なぜ!?
頭が一瞬、真っ白になった。
私ってやっぱり食用だったんだ、とか。
ハイジのくせに、ヤツまで私を犬扱いしてるんだろうか、とか。
そりゃもう、色んなこと考えまくった。
「ももちゃんよォ、どーいうこったこりゃ。ジローちゃんか?ジローちゃんがお前をオイシ~く頂くために、こうなっちゃったの?まあ、そーいうプレイもありっちゃアリかもな~」
……何だって?
なにやらワケわからんことを口走ってくれちゃった、まりもっこり。
てかコイツ……なんかもぐもぐしてない?
「ちょっとあんた、人を舐めといて何食べてんの」
嫌な意味で、心臓がドキドキしてる。
ジローさんの時みたいな、甘いドキドキじゃない。
ハイジに舐められたっていう事実が、そうさせる。
ジローさんにだけ、許せる行為なのに。
……いや、許せはしないけど。
でも、それはジローさんだけの特別な行為のはずなのに……!
「何ってお前、キャベ──ぐはっ!」
ハイジが言いかけたその時、黒い影が視界をかすめた。
次に見た時には、ハイジはウルトラマンジローのウルトラパンチをモロに顔面へくらっていた。


