気まぐれヒーロー2




「恨むなよ。恨むなら、お前を怪獣に産んだ親を恨め」



本城咲妃を見据え、そんなセリフを彼女に吐くジローさんは『メス怪獣・本城咲妃』を仕留める気満々だった。

一歩、前へ出る。



「わー、ダメですってば!!!」



危ねえええ!!やる気満々じゃねーかウルトラマンジローよ!!!

迫りくるバイオレンスオーラ全開のジローさんを、本城咲妃は訝しむような目で睨んでいる。

たぶん、彼女も意味はわかっていないと思う。
ジローさんを変な人だと思ってるのも、その目を見ればわかる。


私はとっさに、暴走ウルトラマンジローを止めるべく
彼の体にしがみついた。


助っ人を求めてタイガーマスクに目をやると、ヤツは「これでジローのファンが減るな〜」と嬉しそうに見物しているだけだった。


ダメだ、ヤツは敵だ。
タイガーマスクは悪だった。


それならばケイジくん!!

と思ったけど、彼はさっきタイガーマスクにプロレス技をキメられたせいでぐったりしていた。

青い顔してしゃがみ込み、「うーんうーんギモヂワルイよー」と壁に向かって呻いていた。


希望は断たれた。


「放せタマ、お前のためだ!」


ジローさんはぐいぐい押してくるし、なんかもう……黒いオーラが出まくってるし!!

悪魔だ。

ウルトラマンからデビルになっちゃったんだ。

デビルマンジロー爆誕だ!!


一人で押さえるのも、限界がある。


お願い、誰か──!!

このままじゃ、素敵なジローさんが、女の子に手をあげた最低なダークヒーローになっちゃう……!!


誰か助けて!!



「なっ……何やってんだアンタら!!!」



その声に振り向くと、ぎゅうぎゅう詰めの人混みをかき分けて現れたのは──



「……カンベンしてくれよ、クロちゃんジローちゃん」



タイガーマスクとウルトラマンを目にした瞬間、大きなため息をついて項垂れるハイジだった。


そうだ、まだコイツがいたんだった!

あまりにタイガーマスクとウルトラマンジローが強烈すぎたから、まりもっこりの存在を忘れてた。


ハイジの登場で、人々のどよめきが少しだけ収まり、
視線が一斉にヤツへと集まる。

また一人……鷹のメンバーが現れたから。


「ハイ遅刻ー。“お前の知り合いんなかで一番美人な女を紹介する”の刑な。あ、年上限定で。上質なまりもを紹介とかはナシよハイジくん」

「はぁ!?」