「恨むなよ。恨むなら、お前を怪獣に産んだ親を恨め」
本城咲妃を見据え、そんなセリフを彼女に吐くジローさんは『メス怪獣・本城咲妃』を仕留める気満々だった。
一歩、前へ出る。
「わー、ダメですってば!!!」
危ねえええ!!やる気満々じゃねーかウルトラマンジローよ!!!
迫りくるバイオレンスオーラ全開のジローさんを、本城咲妃は訝しむような目で睨んでいる。
たぶん、彼女も意味はわかっていないと思う。
ジローさんを変な人だと思ってるのも、その目を見ればわかる。
私はとっさに、暴走ウルトラマンジローを止めるべく
彼の体にしがみついた。
助っ人を求めてタイガーマスクに目をやると、ヤツは「これでジローのファンが減るな〜」と嬉しそうに見物しているだけだった。
ダメだ、ヤツは敵だ。
タイガーマスクは悪だった。
それならばケイジくん!!
と思ったけど、彼はさっきタイガーマスクにプロレス技をキメられたせいでぐったりしていた。
青い顔してしゃがみ込み、「うーんうーんギモヂワルイよー」と壁に向かって呻いていた。
希望は断たれた。
「放せタマ、お前のためだ!」
ジローさんはぐいぐい押してくるし、なんかもう……黒いオーラが出まくってるし!!
悪魔だ。
ウルトラマンからデビルになっちゃったんだ。
デビルマンジロー爆誕だ!!
一人で押さえるのも、限界がある。
お願い、誰か──!!
このままじゃ、素敵なジローさんが、女の子に手をあげた最低なダークヒーローになっちゃう……!!
誰か助けて!!
「なっ……何やってんだアンタら!!!」
その声に振り向くと、ぎゅうぎゅう詰めの人混みをかき分けて現れたのは──
「……カンベンしてくれよ、クロちゃんジローちゃん」
タイガーマスクとウルトラマンを目にした瞬間、大きなため息をついて項垂れるハイジだった。
そうだ、まだコイツがいたんだった!
あまりにタイガーマスクとウルトラマンジローが強烈すぎたから、まりもっこりの存在を忘れてた。
ハイジの登場で、人々のどよめきが少しだけ収まり、
視線が一斉にヤツへと集まる。
また一人……鷹のメンバーが現れたから。
「ハイ遅刻ー。“お前の知り合いんなかで一番美人な女を紹介する”の刑な。あ、年上限定で。上質なまりもを紹介とかはナシよハイジくん」
「はぁ!?」


