気まぐれヒーロー2




頬を滑る熱い雫が、一滴落ちて、ジローさんの手を濡らした。



「泣くなよ。笑ってろよ、お前は」



私を抱く彼の腕が、ほんの少しだけ強くなる。


ジローさん……素敵すぎて、さっきからドキドキが止まらないんです。


『好き』が大きくなりすぎて、自分でもどうにもできなくなってる。


一目でも彼の顔が見たくて、ちらりと仰いでみたけれど──


果てしなくカッコよくて。

涙が出るほど胸に刺さる言葉をくれたのに。


見上げたその顔は、ウルトラマン……。


ウルトラマンジローもいいけど、ジローさんの顔、ちゃんと見たいな。

でもお面取ってくれそうにないしな……。



「タマ、もう心配いらねえぞ。あの怪獣は俺が倒してやるからな」



……ん?怪獣?



「イジめられてんだろ、アイツに。いくらメスでも手加減しねえ」

「メス……」



頭の中がクエスチョンマークで埋まっていく私をよそに、ウルトラマンジローは得意げに指をポキポキ鳴らしている。



「安心しろ。俺には“八つ裂き光輪”って技がある」



なんつー物騒な技だよ!!


って、そうじゃなくて。


ようやく合点がいった。


おかしいと思ってたんだ。

だって、ジローさんなのに。

あの、超絶女嫌いのジローさんなのに……!


本城咲妃と普通に話せていることに、すごく違和感があると思ったら……そーいうことだったのかっ!!


ジローさん!
アレですね、この前の小春の『キューティーバニー事件』と同じ仕組みだったんですね!!


今日はウルトラマンだし。

ウルトラマンフィルターを通せば、本城咲妃はメスの怪獣に見えちゃってたんですね……!!

そりゃ強気にもなるわけだ!!

恐るべし、ジローフィルター……!



「いけませんよジローさん、女の子に手を上げちゃ!!」

「許せタマ。俺だってメスとやり合いたくはねえ。けどよ、怪獣なんだから仕方ねえんだ。倒すのがウルトラマンの宿命だ。大丈夫だ、怪獣ってのはジョーブにできてる」



どんな理屈だオイ。