気まぐれヒーロー2




そして何を思ったか、虎頭は一歩前に出ると──



「まァ、あんたの言い分もわからねえこともねーよ。確かにコイツはバカだ。バカな上にボケナスだ。寝てばっかだし起きてたって、大して役に立ちゃしねえ。ネクラだしつまんねーし動かねえし、そのわりにはすぐ殴ってきやがる。ゴミに出して肥料にでもしちまった方が、ちっとは世のため人のためってもんだ。そのくせ女にはウケがいいんだ。なんでかって?顔だよ、顔。コイツはムダに顔がイイもんだから、女は騙されんだよ。神さんは何を間違ってコイツに無敵の容姿を与えたのか知らねーけど、宝の持ち腐れってのはこーいうヤロウのことを言うんだよ。なあ、あんたもそう思わねーか。思うよな、ああ俺はそう思うよ。見ててムカっ腹立つよなぁ、俺もムカついてしょうがねーよコイツといるとよォ。なんだってこの人の皮被ったナマケモノが持てはやされんのか、理解できないね。俺の方がぜってー女を楽しませる自信はあるよ、コイツとはデキが違うんだよ。な?俺とコイツは別物だ。別の生き物なんだ。そうだろ?」



この超・超・超長セリフを、ノンストップで言い切った。

目が点になった。

見上げたその横顔には、マスク越しでもはっきりわかる悪魔の笑みが浮かんでいる。
もうヒーローというよりは、ヒール(悪役)だ。

耳障りな笑い声が聞こえてきそうな極悪タイガーマスクは、散々ジローさんをこき下ろし、さらには本城咲妃に賛同まで求めていた。

彼女以上にジローさんを罵っていて、ここぞとばかりに憂さを晴らしているようだった。


この人、どれだけジローさんに恨みがあるんだろうと、恐ろしくなった。


ケイジくんでさえ、ちょっと引いてた。



ジローさんはといえば、




「お前、今ので3分経っただろーが!!」




と、貴重な3分を潰されたことにご立腹だった。