気まぐれヒーロー2




「タ、タイガ……だよね?」



だから、恐る恐る尋ねてみた。
颯爽と現れた謎のタイガーマスクさんに。


しばしの沈黙。

張り詰めた空気。


タイガーマスクがじっと私を見下ろしている。

マスクの奥の目を見つめ返しても、何を考えてるのか全然読めない。


息をのみ、手に汗を握って待つ私に──



「タイガーマスクだ」



しれっと、虎頭は答えた。



そして再び沈黙が訪れる。



「…………」

「…………」



………………。



「……え、いや……タイガ、でしょ?」

「タイガーマスクだ」

「いやいや、あの、さ……もういいから。わかってるから」

「タイガーマスクだ」

「うん、かけてるんでしょ。タイガとタイガーを」



いい加減ウザくなってきたから、早く正体吐けよ、と思ったら。



「タイガーマスクだっつってんだろボケが!!何聞いてんだてめえは!!アァ!?その耳は飾りか、二つの穴は何だニセモンか開いてるだけか!!うまい棒突っ込んでガタガタいわしたろかいこのアマ!!あんまナメた口きいてっと、いてまうぞワレコラ!トンチキが!!!」

「ひいいいい!!」



はわわわわ!!

キ、キレたキレた!タイガーマスクがキレた!!
ヒーローにあるまじき暴言を吐いた!!


チンピラだヤクザだゴクドーだ!!!


極悪タイガーマスクに、チビりそうだった。



周りもドン引きどころじゃない。

空気が一瞬で異次元になっていた。



「いったい何なの……?」



眉をひそめ、険しい視線を突きつけてくる本城咲妃。
極悪タイガーマスクは一度彼女に目を向けるも、すぐ私に戻して言った。



「だからピンチなら呼べっつってんだ、ヒーローを」

「へ?よ、呼ぶって?」

「いいから、ヒロインならヒロインらしく助けを求めてみろ。そしたら来てくれるだろうよ、オメーのヒーローが」



わ、わかんない。
この御方、何を言ってるのか、全然わからない……。


でも、来てくれるの?


私のヒーローが……?