言っちゃいけなかったの?
仲間になりたいって思っちゃ、いけなかった?
そもそも、あんたが私に目をつけてきたのがきっかけだったんじゃない。
散々自分の好きなように人を使って、やりたい放題してきたくせに。
あんた達の世界に、踏み込んじゃいけないの?
どうしたいのよ。
あんたとの距離を、私はどう取っていったらいいのよ。
「ケイジくんはあんたと違う」
「……あ?」
微かにハイジの声が低くなって、目つきも鋭くなる。
これから口にしようとしていることが、さらにハイジの心の奥にくすぶっている炎を燃え上がらせることも、知っているのに。
私は自分の中に渦巻きだした感情を、抑制できなくなっていた。
「彼はあんたみたいに、自己中じゃない。子供じゃない。感情のままに突っ走ったりしない。私を、モノみたいに扱わない」
ダメだ、これ以上言ったら……取り返しが、つかない。
ハイジの瞳が、刃みたいに研ぎ澄まされていく。
触れれば切り裂かれそうな、危険な空気が漂い始める。
でも──
口が勝手に、動いてしまう。
「優しいもん、ケイジくんは。ちゃんと周りを見てる。私のこと、考えてくれてる。大人だもん。私をバカにしたりしないし。双子だってあんたとじゃ、全然ちが──」
何が起きたのか、理解するのに時間を要した。
最後まで言い終わる前に、視界がぐらりと揺れて。
ハイジの顔が、目と鼻の先に迫っていて。
背中には、柔らかな感触。
ふかふかの床に、体が沈む。
床……じゃない。
私……あのマットレスに、寝かされてる。
上にはハイジが乗っていて、両手を顔の横で押さえられていて。
足の間にヤツの体があって、覆いかぶさられている。


