近いし……耳に微かに吐息がかかるし……この人、セクシーフェロモンがムンムンすぎる……!!
「お前、バカ言ってんじゃねーよ!!」
真っ赤っかになって、顔から湯気が立ちそうなくらいくらくらしてると、ハイジが私の肩を抱いてるケイジくんの腕を払い除けた。
ちょっともう……無理……。
ジローさんじゃないけど、鼻血出たっておかしくない。
クリボーレベルの私は、セクシーマ〇オの攻撃に完敗した。もうぺちゃんこだ。
朝から刺激的すぎて、脳みそはショートしてる。
ケイジくんはなんかすごい単語を連発してたような気がするけれど、聞き流すことにした。
じゃないと、体がもたない。
ノボせた頭のままフラフラと歩いてたら、道路の端の電柱に顔面から激突した。
今日はきっと、運勢最悪の日に違いない。
ケイジくんはともかく、ハイジがうちで朝ご飯食べてた時点でこうなる運命だったんだ。
強打した顔面をさすりながら、とぼとぼと足を進めた。
「俺もジローちゃんとももちゃんの濃厚なキス、見たかったな~」
「はっ!?」
「昨日、鷹に連れてかれたんやろ?」
ケイジくんの目が、どこか意味ありげに細められる。
私はすぐさまハイジを見ると、ヤツはぷいっと顔をそむけた。
これで確定だ。
ヤツがケイジくんに喋りやがったんだ。
くそう、双子め……どこまでも私をいじり倒しおって……!!
「私だって知らなかったよ、あんた達が暴走族だったなんて!」
「あぁ?暴走族?何のことだ」
「だってそうでしょ?黒鷹って……暴走族、なんでしょ」
顔を見合わせる双子。
数秒後、『ぷっ』と吹きだして、ゲラゲラ笑い出した。
「ぼ、ぼーそーぞくってお前!ダッセー!いつの時代の人間だよ!!」
「さすがにもう時代遅れやろ!!最近聞かんで!」
「え……“華流飛酢上等”って特攻服に刺繍されてるんじゃないの?」
「フザけんな」
別にカルピスをバカにしたわけじゃないのに、真剣にハイジに怒られた。
「じゃあ……“黒鷹”って、何なの?」
あんなにゴツいバイクや車が何十台とあって、イカツイにーちゃん達が集まってたのに。
暴走族じゃないって言うなら、一体何の集団なんだろう。
しばらく考え込んだ後、ハイジが口を開いた。
「ショッカー養成所」
ええええ!!
マジか!!
あ、あのおにーさんや少年達は、全員悪の手下だったのか!!
そしてそんな彼らをまとめるジローさんは……悪の親玉だったんだ……!?


