気まぐれヒーロー2




「うめー!!マジうまいっスね、この玉子焼き!!」

「ほんまほんま、どこのプロが作ったんか思ったわ~」



──腰を抜かすとこだった。
それどころか息の根止まるとこだった。


リ、リアルガチャピンとムックが、うちに居座っとる……!!


じゃなく、ハイジとケイジくんが、我が家のリビングで朝ごはんを食べていた。



バカな……そんなバカな……!!


夢だ、これはきっと夢の続きなんだ!!私はまだ夢の中にいるんだ!!


双子が両親と並んで和気あいあいと朝食を取っているところへ、私は猛ダッシュで突進していった。



「うおおおおお!!」

「あら、あんた起きてたの──」



お母さんを無視して、私はノンキにご飯をつついてるハイジの胸ぐらを掴むと、勢いそのままに頭突きをくらわした。



「ぐっ、おまえ……!」



ゴツンという鈍い音。

視界にお星様がちかちか飛んだ。
次に、ぐわんぐわんと頭が揺れるような痛みが襲ってくる。


「ゆ、夢じゃない……」

「いてーなコラ!いちいち俺を巻き込むんじゃねえ!!朝イチで人に頭突きくらわすとは、どんな育ち方してきたんだお前は!親の顔が見てみてーよ!!」


いや、目の前にいるし。


「やあね~パパ、ハイジに誉められちゃった~」

「あはは、ももにはいつも愛情を注いでるからね」


いやいやいや、そこ照れるとこじゃないし。
ってか、二人ともなんか間違ってるし。


「『おはようハイジくん、今日もとっても魅力的ね』ぐらい言ってみろ、ぽんぽこタヌキが」


おでこをさすりながら、ハイジはぷんすか怒っている。

それを見て、これは夢じゃないのだと悟った。

夢ならどれだけ良かったか。


「ももちゃん、朝から激しいな~」

「ケイジくん……これはいったいどういうこと?」


唯一まともに取り合ってくれそうなケイジくんに、事情を聞くことにした。


「うん、ももちゃんと一緒に学校行きたいなーって思って」

「な、なんで?」

「理由なんていらんやん?一緒に行くだけやのに」


そうなの?そういうものなの?

にこにこしてるケイジくんに不審な目を送りつつ、風切兄弟の前に並べられている朝食が最大の謎だ。


「まあ、それはいいとして……どうしてうちで朝ご飯食べてんの」

「俺は一人で来るつもりだったのによー、コイツが勝手についてきたんだよ」


おでこを赤くしたハイジが、むすっと言い放つ。

私が聞きたいのは、そういうことじゃないんだけども。